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スーツで履く靴下は?
スーツに合わせる靴下を意識したことはあるでしょうか。多くの人が、「靴下なんて履ければ何でもいいじゃん。」と思っているかもしれません。
それもそのはず、靴下はユニクロや無印良品などに行けば、3足1000円以内で買えるからです。しかも、日本製の靴下は品質が良いため、海外のちょっとしたブランドソックスを買うよりもコスパが高いですね。
では、スーツに合わせる靴下の”長さ”を意識したことはあるでしょうか。
「座ったときにパンツの裾からスネが見えるとかっこ悪いから、一番長いのを買うかな。」
正解です!スーツスタイルでは、パンツの裾から素肌が見えることは上品ではないため、マナー違反とみなされます。これは、就活のときに学んだ人も多いでしょう。
具体的にどれくらいの長さの靴下を履くべきか……スーツに合わせる靴下「ドレスソックス」の長さは,ある程度決まっています。欧米では、スーツには「ロングホーズ」を合わせることが常識です。
では、ロングホーズとはどれくらいの長さのドレスソックスのことなのでしょうか。
今回は、スーツに合わせるロングホーズの長さの目安、また靴下の長さの種類とそれぞれの名称についてお話します。
ロングホーズとは
ロングホーズ(long hose)とは、膝下まで長さのある靴下のことで、日本ではハイソックス(和製英語)の長さにあたります。
ハイソックスの長さと聞くと、日本では女性が履く靴下だと認識している男性も多いと思いますが、実は元々男性がスーツを着たときに履く長さの靴下です。
出典|– – Represented by Trish South Management : Photography Agency
もちろんビジネススーツだけでなく、フォーマルウェアにもドレスソックスであるロングホーズを合わせます。
なぜ日本の男性がロングホーズを意識していないのかというと、1番お手軽なユニクロや無印でロングホーズが扱われていないためです。
日本でもっとも見かける靴下は、いわゆる「クルーソックス」と呼ばれるふくらはぎにかかる長さの靴下です。そのため、たとえそのお店で一番長い靴下でも、クルーソックスではスーツには短すぎます。
ドレスソックスに明確な定義はありませんが、ドレスシューズに合わせるのであれば、無地で色は黒がメイン、ネイビーとブラウンがサブ、そして長さはロングホーズということになります。
ロングホーズのメリット
スーツにロングホーズを合わせることは、単純に素肌が見えないためだけではありません。その他にもメリットがあります。
メリット1.素肌が見えない
もちろん、ロングホーズの1番のメリットは、パンツがずり上がったときでも素肌が見えないことです。
ヨーロッパでは、スーツスタイルにおいて素肌を見せることは失礼だとされます。最近はあまり見かけなくなりましたが、昔のおじさんが履いていたスケスケの靴下もみっともないです。女性とは違い、男性の装いに透け感は必要ありません。
メリット2.ずり落ちにくい
クルーソックスを履くと、1日に何度も靴下がずり落ちてしまいます。直すことに慣れてしまって、自分でもその動作に気付いていないかもしれませんが、靴下をたくし上げる行為はエレガントではありません。
ロングホーズは口ゴムがふくらはぎの上にくるため、引っかかってずり落ちにくい作りになっています。
メリット3.パンツがまとわりつかない
ロングホーズは、基本的にコットン100%を選びます。コットンは化繊よりも静電気が発生しにくいため、パンツのまとわりつきを防いでくれます。パンツが足に張り付いたままだと動きづらいですし、シルエットも気になります。
メリット4.パンツの劣化防止
ウール素材のスーツは、なるべく肌に触れないように着なければいけません。なぜなら、ウールが肌に触れると汗を吸収し、繊維がほつれて劣化を早めるためです。同様に、半袖シャツにジャケットを着用することも避けましょう。
参考|ビジネスで半袖ワイシャツはダサい?クールビズのおすすめシャツは
靴下の長さの種類と名称
靴下にはクルーソックスやロングホーズの他にも様々な長さがあり、名称が付いてます。ただし、長さや名称に規定はないため、メーカー毎にバラバラです。
フットカバー、スニーカーソックス
フットカバー、スニーカーソックスとは、上記イラストにはありませんが、足の甲の4分の3程を覆う靴下のことです。ユニクロの靴下名で言うと、ベリーショートにあたります。
一般的にはカジュアル履きとして使われますが、近年はアンクルパンツに素足でローファーを合わせるのではなく、フットカバーを見えないように履いて、素足のように見せる履き方をする人が増えました。
上手く履くと靴下が全く見えないため、インビジブルソックスとも呼ばれます。
A.アンクレット
アンクレットとは、主にくるぶし丈の靴下のことです。ユニクロの靴下名で言うと、ショートにあたります。
B.ソックス、ロークルー
ソックス、ロークルーとは、足首を覆う程度、またはふくらはぎ下程度の短い靴下のことです。ユニクロの靴下名で言うと、ハーフにあたります。
C.クルーソックス
クルーソックスとは、ふくらはぎに掛かる程度の靴下のことです。船員が好んで履いたことから、この名前が付けられているそうです。ユニクロの靴下名で言うと、レギュラーにあたります。
この長さの靴下がもっともオーソドックスな長さですが、ふくらはぎの下に位置するため、すぐにずり落ちてしまいます。
D.スリークォーターズ、ミニハイソックス
スリークォーターズ、ミニハイソックスは、膝下4分の3ほどの長さの靴下のことです。男性用の靴下では、このあたりまでの長さをよく見かけます。
E.ハイソックス、ロングホーズ
ハイソックス、ロングホーズとは、ふくらはぎを覆うほどの長さの靴下のことです。日本では、ハイソックスと言えば女子中高生が履く靴下をイメージしますが、そういえばセーラーも元々男性の服ですね。
F.オーバーニーソックス
オーバーニーソックスとは、膝上丈の靴下のことです。こちらも女性が履くイメージが強い靴下です。
ロングホーズの値段は?どこで買う?
さて、スーツに必要な靴下「ロングホーズ」の長さやメリットはわかりましたが、どこで、いくらで買えるものなのでしょうか。
さすがに、ユニクロや無印良品のように、3足1000円というわけにはいきません。ロングホーズは、大手百貨店であれば取り扱っていますが、もっとも手っ取り早いのはネット通販で購入してしまうことです。
化繊混だと1足700-800円くらいから、綿100%だと1足1500円からが値段の相場だと思います。
ちなみに、高級で高品質なドレスソックスと言えば、イギリスの「パンセレラ(Pantherella)」が有名です。ただ、日本メーカーでも老舗の「ハリソン(HALISON)」、「タビオ」、「福助」などは品質も高く、パンセレラよりも耐久性に優れているため、総合的に負けていません。
3足1000円で靴下を買っていた人にとっては、1足1500円と聞くとちょっと尻込みする金額ですが、ずり落ちにくさやパンツのきれいなシルエット、スーツが長持ちすることを考えれば、決してコストパフォーマンスが低いわけではありません。
なお、綿100%だと冬は暖かく、夏は涼しくはけるため、1度良い品質のロングホーズを履くと、3足1000円の靴下には戻れなくなるはずです。
大人になったなら、そろそろカジュアルに履く靴下は卒業して、ドレッシーなロングホーズを試してみてはいかがでしょう。