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Jun.18

スーツの上着はジャケパンに使える?ジャケットに必要な条件

Written by伊藤進一郎

この記事を読むのに必要な時間は約 10 分です。

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ジャケパンは難しい…

普段あまりスーツを着慣れていない人やスーツは単なる作業着でおしゃれに着る必要はないと考えている人は、ジャケパンスタイルもあまりしない傾向があります。

なぜジャケパンスタイルをしないのか……それは、ジャケパンスタイルの敷居が高い、自分にはうまく着こなせないと思いこんでいるからかもしれません。

別途お話しますが、「99.9%の人にとって、”おしゃれ”とはセンスではなく知識と経験の積み重ね」です。

ただ普段ジャケパンスタイルをしない人でも、1度は今着ているスーツの上着と違うスラックスやデニム、チノパンなどを合わせてみたことがあるはずです。そして、鏡を見ながらこう思います。

「はぁ……やっぱりジャケパンって難しいわ……。」

ただ、これは根本が間違っています。ジャケパンスタイルが難しいのではなく、ほとんどのスーツの上着がジャケパンスタイルに向いたディテールやデザインではないんです。

そこで今回は、ジャケットとスーツの上着の細かいディテールの違い、ジャケットに必要な条件についてお話します。

ジャケットとスーツの違い

ジャケットとスーツの上着は似ています。それもそのはずで、ジャケットとスーツの上着には明確な境目はなく、フォーマルやビジネスに沿ったスーツのディテールを崩してカジュアルダウンさせる過程で区別されるからです。

なお、厳密に言うとスーツの上着は「テーラードジャケット(略してジャケット)」と言い、ジャケパンスタイルで着用するシングルブレストのジャケットは「スポーツジャケット」と言います。

本稿ではテーラードジャケットをスーツの上着、スポーツジャケットをカジュアルジャケットと呼びますが、細かい違いやニュアンスの捉え方は以下を参考にしてください。

参考|スーツの上着の正しい名前は?背広・ジャケット・ブレザーとの違いは

では、カジュアルジャケットは具体的にどこがカジュアルダウンされているのでしょうか。

違い1.肩パッドの有無

カジュアルジャケットとスーツの上着の最も大きな違いは、肩パッドの有無です。

仕事で着るスーツは、一般的なアメトラやブリトラに代表されるナチュラルショルダーで肩パッドありのディテールです(トラッドは肩パッドが薄め、レギュラーは厚め)。

アメトラ…アメリカントラディショナル
ブリトラ…ブリティッシュトラディッショナル

一方、カジュアルジャケットには肩パッドがないため、かっちりしたイメージはより薄れます。

違い2.着丈の長短

カジュアルジャケットとスーツの上着は、着丈に長短の違いがあります。

一般的にはスーツの上着の方が長く、カジュアルジャケットの方が2-5cmほど短く着ることが多くなります。

違い3.生地の質感

カジュアルジャケットとスーツの上着は、生地の質感に違いがあります。

スーツの素材は、毛羽立ちが少なく細くなめらかな梳毛(ウーステッド)を使います。そのため生地が薄く、仕上がりに光沢が出ることが特徴です。

一方、カジュアルジャケットは綿や麻、ツイードなどの起毛素材を使うためスーツに比べて生地が厚く、光沢がないものがほとんどです。そのためスーツの上着にパンツを合わせると、上下で質感の違いが出て統一感のないちぐはぐな印象を与えます。

違い4.色や柄

カジュアルジャケットとスーツの上着は、色や柄に違いがあります。

スーツの上着の柄は「無地>ストライプ>チェック」の順、色は「ブラック>チャコール、ネイビー>グレー>他」の順にフォーマル感が強くなります(色の濃淡は考慮外)。

ただしビジネスにおいては、チャコールグレーやネイビーのストライプなど縦縞の方が緊張感をもたらし、仕事の意識が高まります(ブラックはフォーマル感が強い)。

そのため、ダークスーツでストライプ柄の上着は、ジャケパンスタイルとの相性は良くありません。とくにシャドーストライプのスーツはビジネスマンに好まれるため、カジュアルに着こなすには工夫が必要です。

違い5.ディテール

他にもカジュアルジャケットとスーツの上着には、各所にカジュアルダウンされたディテールの違いがあります。以下はカジュアルダウンの一例です。

  • ラペル|スーツの上着はノッチドラペル、ジャケットはピークドラペル
  • ポケット|スーツの上着はウェルトポケット、ジャケットはパッチポケット
  • ボタン|スーツはダークな練りボタン、ジャケットは金属製シャンクボタンなど

ジャケパンに使えるスーツの上着とは

さて、これだけスーツの上着とカジュアルジャケットに違いがあることがわかれば、安易にスーツの上着をジャケパンに使えないことがわかるでしょう。ただ、すべてのスーツの上着がジャケパンに使えないわけではありません。

わたしたちは「スーツはビジネスで着る洋服」というイメージを持っていますが、前述した通りスーツの上着とカジュアルジャケットの境目は曖昧です。そのため、実際はスーツの中にもフォーマル、ビジネス、カジュアルの要素が存在します。

では、スーツの上着がどのようなディテール・特徴であれば、ジャケパンスタイルに使えるのでしょうか。

特徴1.肩パッドがないアンコンスーツ

スーツの上着をカジュアルに着こなすには、かっちり感があってはいけません。そのため肩パッドが薄い、または肩パッドがないアンコンスーツ(アンコンストラクテッドスーツ)を選びましょう。

イタリアンやフレンチスタイルなどドロップショルダーで身体に自然にフィットする形が良いのですが、最近はどのスーツスタイルでも肩パッドが薄いスーツは多く見かけます。

「スーツ(ジャケット)は肩で着る」と言うくらいショルダーラインには特徴が出やすいことを理解しましょう。

特徴2.光沢がない無地やチェック柄スーツ

前述した通り、最もビジネスライクなスーツがダークカラーのシャドーストライプのため、そうではないスーツの色・柄を選べばカジュアルに近付きます。

とりわけ、ブレザーに多い鮮やかなソリッドネイビー(無地単色)やチェック柄(大柄が良い)はカジュアル感が強く、色はネイビー、グレー、ブルー、ブラウン系が良いでしょう。

ストライプを着たい場合はラインが濃くピッチ幅が広いスーツが良いですね。素材もフランネルやツイードなど光沢がなく、毛の存在がわかりやすいスーツはジャケパンに合わせやすくなります。

特徴3.ピークドラペルのスーツ

スーツ(ジャケット)スタイルの顔とも言われる「Vゾーン」の作り方で、カジュアルとビジネスを使い分けるようにしましょう。

今回はジャケットのみのお話なので、注目すべきはスーツの中でも主張が強いラペルの形です。ラペルの形は大きく分けて、ノッチドラペルとピークドラペルに分かれます。

シングルブレストであればノッチドラペル、ダブルブレストであればピークドラペルがシンボル化していますが、シングルブレストをピークドラペルにするとカジュアル感が生まれます。

ただしスーツの上着として見るとやりすぎ感が出るため、セミピークドラペルにするなど程良いカジュアル感を取り入れることが重要です。

ジャケパンとスーツスタイルは分けた方が吉

カジュアル感を出す方法はまだありますが、おおむねこれらのことを把握しておけば、スーツの上着を程よくカジュアルに見せられます。初めからカジュアルディテールのスーツを選べば、後からジャケパンに着回すことは難しくありません。

……とは言え、お堅い業界事情や今の職場の環境を考えると、「ジャケパンスタイルのために、ここまでカジュアルなスーツは着れないよ……。」という人も大勢いると思います。

いくらスーツの上着を休日に着回してコストカットしたくても、職場環境を考慮したギリギリカジュアルなスーツを選んでしまうと、かっこいいジャケパンスタイルは難しくなります。

そのため、やはり基本はスーツとカジュアルジャケットは分けて、まずは自分なりにそれぞれ”着こなしきる”慣れが大切です。

冒頭でお話した通り、「99.9%の人にとって、”おしゃれ”とはセンスではなく知識と経験の積み重ね」です。そのため、それぞれの着こなしを理解できれば、適度にビジネス感があるスーツでもうまくジャケパンスタイルとして着回すことができるようになると思います。

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Be a man dressing to suit.