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Apr.20

デキる男の服装とは?スーツを着こなすため必要な内面の要素

Written by伊藤進一郎

この記事を読むのに必要な時間は約 8 分です。

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デキる男性の服装と言えば?

みなさんは”男性の服装”と聞いて、どのようなスタイルをイメージしますか。

この言葉では抽象的過ぎて、イメージは十人十色だと思います。では、”デキる男性の服装”と聞くとイメージは変わるでしょうか。

きっと、10人中8-9人はビシっと身体にフィットしたスーツスタイルや爽やかなジャケパンスタイルをイメージするはずです。

昔から女性はスーツ姿の男性にドキッとするもの(希望的観測)ですが、個人的にはここ数年さらにその傾向が強くなり、スーツを着こなす男性の価値が以前より高まっている気がします。

もちろんスーツを素敵に着こなす女性も多いのですが、やはりスーツと言えば「男の戦闘服」という言葉通り男性のイメージが強いスタイルです。

ところが、スーツは仕事だけでなく冠婚葬祭やちょっとした式典・パーティーなど利用シーンが溢れている割に、正しい着こなしを教わることはありません。そのため、スーツの着こなしを必要以上に難しく考える人も多くいます。

ただ、スーツを着こなすために最初から難しいテクニックを使いこなす必要はありません。まずは、「とりあえず仕事だからスーツを着よう。」という意識から、「かっこいいからスーツを着よう。」という気持ちに切り替えることが大切です。

そして、「かっこいいからスーツを着よう。」という気持ちを持つためには、スーツについて色々と知り、興味を持つことが大切です。そこで、まずはちょっとしたスーツの歴史とうんちくをお話しましょう。

スーツとは

スーツ(suits)とは、1枚の同じ布地で作られたテーラードカラー仕様のトップスとベスト(ジレ)、ボトムス(パンツやスカート)からなる一揃いの衣服のことです。

※テーラードカラーとはジャケットに使われる折襟の形

現在のスーツはジャケット、ベスト、パンツ(トラウザーズ)のスリーピース、ジャケットとパンツのツーピース、または女性の場合はジャケットとスカート・パンツのツーピース、ブラウスなどのインナーを合わせたスリーピースの組み合わせを言います。

スーツの元になったフロックコートは15世紀にイギリスで生まれたものです。当時は軍服として使用されており、防寒対策として襟が高く丈夫に作られていました(イギリスは夏場でも平均が20℃を超えるくらい)。その後フロックコートは、軍服から派生して貴族のコートとして普及しました。

スーツが現在の形になったのはイギリス帝国ヴィクトリア朝の1850-1860年ごろで、それまで主流で堅苦しかったフロックコートやモーニングから徐々にカジュアルなラウンジスーツ(現在の意味におけるビジネススーツ)に変化し、好まれるようになっていきました。

堅苦しいと感じる人も多いスーツですが、当初は気軽に着こなすためのカジュアルスタイルだったわけです。

ちなみに、当時も今もベストを着用したスリーピースが正当なスーツスタイルとされています。今わたしたちが普段着ているツーピーススーツは、当時カジュアルだと言われたラウンジスーツをさらに簡略化したスタイルになります。

その後スーツはイギリスからイタリアを経てヨーロッパ全土、またアメリカにも広がっていきました。スーツが日本国民に広く着られるようになったのは大正時代からで、明治時代までの洋装はまだフロックコートが主流でした。以下がスーツスタイル以前に主流だったフロックコートです。

England_Prinzgemahl_Albert

背広の原型はサヴィル・ロウ?

さて、最近の人にはあまり馴染みはないかもしれませんが、日本ではスーツのことを「背広(せびろ)」とも言いますね。

参考|スーツの上着の正しい名前は?背広・ジャケット・ブレザーとの違いは

背広とは主に男性用のスーツの上着(ジャケット)のことですが、ツーピーススーツ、スリーピーススーツまで含めて「背広」と表現することもあります。この背広の語源が「サヴィル・ロウ(Savile Row)」から来ていると聞いたことがある人もいるでしょう。

サヴィル・ロウとはロンドンのメイフェアにあるストリートの名前で、1800年ごろから現在に至るまで高級紳士服の仕立て屋が集中して軒を構えている場所です。

・背筋に縫い目がないところから「背広」の意。
・「sack coat」の訳語で「ゆったりした上衣」の意。
・市民服を意味する「civil clothes」から変化した説。
・ロンドンの高級紳士服店街「サヴィル・ロウ」から変化した説。
・紳士服に用いられる良質の羊毛・服地を意味する「シェビオット(Cheviot)」から変化した説。

引用|背広 – Wikipedia

ただ背広の語源は上記のように複数あり、たとえば日本国語大辞典〈第12巻〉によると「サヴィル・ロウ」ではなく、市民服を意味する「civil clothes」から変化した説が書かれています。

スーツを着こなすためには

「スーツを着こなすために、こんな歴史やうんちくなんて知る必要ないよ。」

もちろん、肩幅が広く、ウエストが引き締まって、ある程度足が長いスラッとした体型があれば、どんな服を着こなすにも必要十分かもしれません。ところが、わたしも含めて大半の日本人男性はスーツを理想的に着こなす体型ではありません。

では誰もがスーツを正しく、かっこよく着こなすためにはどうすれば良いのでしょうか。もちろん、理想を追い求めるなら肉体改造から取り組む必要はありますが、そんな面倒な服装であれば誰も着なくなってしまいます。

よく「スーツの着こなしでもっとも大切なことはサイズを合わせること。」と言います。たとえ短足でも、少々顔が大きくても、身体にフィットしていないスーツを着ることほどかっこ悪いことはありません。

ただ、これはスーツに限らず服全般に当てはまることです。

わたしはそれ以前の問題で、スーツを着こなすためにもっとも大切なことは、冒頭でお話した通りスーツについて色々と知り、興味を持ち、スーツを好きになることだと思います。

もちろん、スーツスタイルやスーツに合わせるアイテムは高級である必要はありませんが、それなりの値段のものはそれなりの作りをしていますし、それなりのこだわりが随所に施されています。

このようなスーツスタイルに対する細部のこだわりと前述したスーツの歴史を知ることで、スーツを着る意味を深く理解でき、自信を持って内面からスーツを着こなすことができるのです。

このメディアでは、これからみなさんがスーツをかっこよく着こなせるように、スーツに興味を持てるお話、スーツを好きになるお話を色々していきたいと思います。

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Be a man dressing to suit.